外人と話していて、発言したいのだけど英語でなんと言ったらよいかわからないので、しかたがないので黙っていた。こんな経験がある方はけっこう多いのではないか。添乗中もそうだ。相手方のずいぶんな言い分に、反論したくても思うように言いたいことが言えなくて歯がゆい思いをしたことがある人も少なくないはずだ。そこで今回はそんな時に使えるやや強い調子で自分の意志や要求を伝えるための表現をみてみることにする。あくまでもビジネス会話として、紳士的な攻撃型英語の勉強をしてみよう。
「ABCトラベルの○○グループです。16ツインと3シングルをコンファームいただいております。チェックインを願いたい。」
「あなたが添乗員の山田さんですか?」
このように不意に名前を聞かれる時はあまりいいことがない。案の定「申し訳ないのですが、お部屋の準備ができていません。しばらくお待ちいただけますか。」と来た。
"How long is this going to take? We have been waiting for almost 15 minutes!"
(いったいどのくらいかかるのですか。もう15分も待っている。)
するとメアリー嬢、こともあろうにこう言ってきた。今夜はオーバーブックしているので、8人を別のホテルに移したい、と。このような時、なぜ白人は全く普通の表情でこれを言ってくるのだろう。悪びれた風もない。我々日本人の感覚だと、ここではそれこそもう泣きそうな表情をして申し訳ない気持ちを全面に表してこれを告げるものだが、彼女たちは決してそんなことはしない。多少の笑みさえ浮かべる。だから、顔の表情と言っていることがちぐはぐで我々日本人エスコートは事態がすぐには飲み込めない。
(それは受け入れられません。)
"I am confirmed 16 twins and 3 singles. This is a breach of contract."
(私達は16ツインと3シングルのコンファームをもらっています。これでは契約違反だ。)
「~のコンファームを受けている。」はこのようにI am confirmed~.というとプロっぽい。
主語はあえてweでなくIとした。この方が「添乗員として私が許さん!」という感じが出る。
breach of contractは契約違反。覚えておいて損はないビジネス表現だ。
(どのように「この損害を」あなうめしていただけるのですか。)
compensationはご存知の方も多いと思うが、「代償」とか「償い」とかを意味し、コンペンセイションと読む。この一文は使える。ぜひ覚えておきたい。
"That is quite insufficient."
(それではまったくもって不充分だ。)と言おう。
"Can I have that in writing?"(文書でいただきたい。)
in writingが「文書で」となる。