Dovetail

鳩の尾っぽ、という直訳。 ダブテイルと発音する。
しかし、これがなんと観光英語では、「コネクションがばっちり行く」という意味で使われる。品詞としては、動詞。 dovetailed や dovetailing もある。

もとは、建築用語で材木と材木を接合する、蟻継ぎともいうV字型の継ぎ手のことを言ったらしい。
その意味を用いて次のような表現が見られる。

"From Havana to Kingston, it is usually cheaper to fly via Grand Cayman, although the schedules don't dovetail."

「ハバナからキングストンへ飛ぶ際、たいていはグランドケイマン経由で行ったほうが安い。ただ、乗り継ぎはよくないが。」

まあ、もっとやさしく言うならば、後半の文章は、

"... although the connections are not very good."




Culinary Tourism

Culinary は「料理の」という意味。カリナリと読む。「料理の観光」、今の日本語で言えば、「グルメツアー」をさす。語源のculina はラテン語でキッチンのこと。
グルメツアーとは、美味しいお料理を求めて旅する旅行だ。洋の東西を問わず、美味しい食事、珍しい食べ物は重要な観光資源。

International Culinary Tourism Association(国際グルメ観光学会)という団体がある。この学会によれば、グルメツアーは、次の6つの点で最重要な観光形態なのだそうだ。
1.旅行中、100%の人が何かを食べる。
2.どんな人種にもグルメトラベラーが存在する。
3.どんな年齢層にもグルメトラベラーが存在する。
4.グルメトラベラーは男女を問わない。
5.グルメトラベラーは教育レベルが高い。
6.収入に関わらずグルメトラベラーが存在する、
http://www.culinarytourism.org/content/understand-culinary-tourism-0


"A unique food and drink experience has the power to lure tourists like museums, recreation and shopping." 
. (おいしい食事や珍しい食べ物は、美術館やレクリエーションやショッピングのように、流行者にとっては大きな魅力だ。アメリカのフードコンサルタント会社のQuantified Marketing Group)

culinary とちょっと似ている英単語が cutlery カトラリー。
カトラリーは、食器のうち、ナイフやフォークやスプーンなどのこと。日本語ではシルバー、などということもある。

Up-market

アップマーケット。高級品、高級な旅行を好む層をさす。ここのところの世界的な弱含みの経済状況のためか、最近は豪華旅行、ラグジュリートラベル、Luxury Travel の話題をあまり聞かなくなった気もするが、平均的な旅行消費額の十倍以上におよぶ価格の旅行素材で旅行をする層は確実に存在する。
Upという英単語は、エレベターで、「上へ行きますか」が Going up? というように、「上へ」という意味が多く使われるが、「上部の」という形容詞としても使われる。Up-market はその例。市場の上の部分。
同じ意味で、up-scale や high-end という表現も使われる。
ところで、最近の市場は二極化とも言われる。そうすると、up-market に対して、down-market が存在するかと思うと、存在する。低価格の旅行を好む層を Down-market という。市場が下がる、悪くなる、という意味ではない。
Up と down があるなら、その中間は?
予想通り、Mid-market という表現が使われるようだ。

モルディブの状況を伝えるサイトで見つけた、mid-market.

"The popular sea country prepares to host more mid-market Indian travelers.
モルディブはインドからの中間層をターゲットにし始めているそうだ。

最後の、今回の up-market の使用例。

Where is it worthwhile paying for up-market hotels?

Trip Advisor で見つけた投稿だが、寄せられた回答は
サンフランシスコのFairmont あるいは、サンタモニカの Shutters があげられていた。

Dark tourism / Thanatourism

「暗い観光」 
 観光とは、本来、明るい楽しいところへ行ったり、楽しい体験をしたりするものだが、これはその逆。明るくなく、楽しくない観光。 Dark Tourism とは、死や悲劇などの場を見学、体験することを目的とする観光を言う。 同じ意味で使われるThanatourism もめずらしい単語だ。thana とは、古代ギリシャ語で「死」のこと。人が引き起こした歴史上の悲劇を繰り返さないための学習旅行、あるいは自然災害による被害を実際に見学し、備える気持ちを養う旅行だ。

 世界十大「暗い観光」地は、

1位 パリ、アルマ橋トンネル (ダイアナ妃の死亡事故現場)
2位 ニューヨーク、グラウンドゼロ
3位 タイ、クワイ川鉄橋
4位 ポーランド、アウシュビッツ強制収容所
5位 チェルノブイリ原発
6位 ロンドンダンジョン
7位 フランスギアナナ、デビルズ島(フランスの政治犯や重犯罪者の監獄島)
8位 プノンペン、トゥールスレン収容所虐殺博物館
9位 サイゴン、クチ地下トンネル
10位 ムンバイ、ダラヴィスラム街

http://www.vacationideas.me/travel-tips/top-10-dark-tourism-destinations/ より


Seasoned Traveler

季節の旅行者?いや、これは「旅慣れた人」という意味。 Seasonはもちろん、季節という意味だが、その他に、旬という意味や「慣れる」という意味もある。経験が豊かな、という使い方で seasoned traveler が、旅なれた人、旅のベテラン。

"10 travel tips from a seasoned traveler" は、「旅慣れた人が教える10この使えるヒント。」

"We have beautiful and comfortable rooms to delight even the most seasoned traveller." 「旅のベテランもうならせるきれいでくつろげる部屋が自慢です。」(Hotel Grand Central, Singapore ホームページ)

seasonには「味付けをする」という意味もある。seasoning は塩、コショウなどの「調味料」。

"Herbs are good seasoning for spinach." 「ハーブはほうれん草の調味料としていける。」


Hotelier


ホテリエと読む。今は、この観光英語、韓流ドラマで有名になってしまった。Hotel という単語の後ろに ier をつける。意味は、ホテルやホテルチェーンのオーナー、経営者。

こんな文章をUSA Today紙の旅行ページに見つけた。
The winner will be revealed at the Bellagio hotel in Las Vegas, where top travel agents, hoteliers and other hotel company representatives are gathered for Virtuoso's annual convention.
注目すべきは、hotel company representatives とは別の扱いで hotelier が記述されていることだ。
前者は、つまり、ホテルの「社員」。これに対して、hotelier はオーナー、経営者と区別されている。


ラクシュアリーツアーで知られるVirtuoso社の会議で、ベストホテル賞が発表されるらしい。発表会はラスベガスのべラジオで開催される。会場には、旅行会社、ホテル経営者、ホテル関係者などが集まる、という意味の文章だろう。


ちなみに、レストランオーナーには、restaurateur という単語もある。

Holiday maker

「旅行者」や「観光客」を英語に訳そうとすれば、自然とでてくるのが tourists であったり、visitors, travelers だ。 これらの単語は、一般的な、広い意味での「旅行者」を指す。旅行者の中でもレジャー目的の、いわゆる「観光客」、「観光旅行者」を指す言葉が、この"holiday maker" となる。Holiday はお休み、祝日、という意味でも使われるが、「観光」の意味もある。 ビジネスではなくて、レジャーで、プライベートで旅行しているのですか?、を尋ねるときよく聞くのが、 "Are you on holiday?" だ。 Holiday maker はそんなホリデイを自動詞的に「作る人」だ。つまり、観光客。

”Canaries News reports that the number of foreign holiday makers who visited the archipelago in September 2011 was a rise of 17.55 per cent compared to the same month last year."