お客様は外国人

国際化が進む現在、特に訪日外国人旅行専門のセクションでなくても、日本語をあまり話さないお客様が旅行の申し込みに来られることも珍しくなくなった。そこで、今回はカウンターに来られた外国人のお客様との会話をみてみることにする。

早速お客様がお見えだ。まず、第一声、日本語なら「いらっしゃいませ」と言うところ。これはどう言うか。意味的にはWelcome!となるのだが、これはちょっと変である。自分の家とかにお迎えする感じだ。ここではCan I help you?がいい。これが「いらっしゃいませ」にあたる。ところが、この定番文章、発音してみると座りが悪い。短すぎるのだ。そこで、頭にYesをつけて、

Yes, can I help you? と言ってみると、落着きが良くなる。また、外国の店員などがよく口にするHow may I help you?でもいいかもしれない。

すると、お客様は、I need a train ticket to Narita Airport.

これから成田空港へいらっしゃる方だ。

まず、日付を確かめよう。だいたいこのような場合は当日の可能性が高い。「今日いらっしゃるのですか?」Are you going today?でももちろん正しいが、やや稚拙。ここではこう言おう。

Is this for today?

なかなかかっこうが良い。

また、一般的に旅行日をお聞きするのは、For what day is this? と言う。

次に、営業所の場所にもよるがNEXをお求めなのか、スカイライナーなのか確かめなければならない。

Do you want Japan Railway's Narita Express, or Keisei's Skyliner?

JRの略称ははけっこう知られているといってよい。しかし、このように"Japan Railway"と一旦は言おう。

この違いがわかっておられないケースも多い。そこで簡単に説明をしてあげるとしたら、

Narita Express leaves from Tokyo (Shinjuku) Station, and Skyliner leaves from Ueno Station. Both take about one hour, but Skyliner is about 1,000 yen cheaper.

「成田エクスプレスは東京から出発し、スカイライナーは上野から出ます。両者とも約一時間ほどで着きますが、スカイライナーの方が千円ほどお安くなっております。」

こう言ってあげれば親切だ。

では、何時の列車にするか。これは何時に成田に着きたいかと聞くのが正解だ。

What time do you want to arrive at Narita Airport?

適当な列車をさがしたら、

There is one leaving Tokyo Station at 3:20pm and one at 3:50pm.

「東京駅を15:20発車と15:50発車とがあります。」

ここの"one"は「一」とか「ひとつ」のことではない。文法的には代名詞で、ここでは列車のこと。だから"There is a train leaving…."といってもよい。しかし、ここでの会話の流れの中では"one"の方がらしい表現だ。また、一般的に外国人は時間を24時間制で言わない。だから、「フィフティーントウェンティ」ではなく「スリートウェンティピイエム」と言おう。ちなみにPMを数字の前につけるPM3:20は間違いです。必ず数字のあとに付けます。

利用人数を訪ねるとすると、For how many persons? となる。

「では、おとりできるかどうかお調べいたします。少々お待ちください。」

Let me check the availability. One moment, please.

availabilityはよく見る単語だが、意外に日本語になりにくい。強いて言えば「用意できる度合い」とでもなるだろうか。現実的には「空席状況」だ。ちなみに、アベイラビリティの「ビ」の音を強く発音するのが正しい。

スカイライナーだと喫煙か禁煙かを聞かなければならないので、

Smoking seat, or non-smoking seat?

そして代金をいただく。

That will be 2,940 yen per person, totaling 5,840 yen.

「お一人2940円。合計で5840円です。」

「一万円お預かりします。」に相当するセリフは単純にこう言えば良いのだ。「預かる」ってなんて言うんだ等と心配する必要なし。

From 10,000 yen.

「ただ今、おつりをお持ちします。」は、

I will be back with your change. となる。

もう一度発券内容を確認する。

Two tickets for Narita Express, leaving Tokyo station at 3:20pm, arriving Narita Airport Station at 4:18pm. Your seats are 5C and 5D, car number 8. Narita Express is a non-smoking train.

「成田エクスプレスのチケットが2枚。東京発午後320分、成田空港駅到着午後418分です。お席は8号車の5Cと5D。成田エクスプレスは全席禁煙です。」

なお、一部の乗車券などを除くと、お渡しするクーポン券類はだいたい日本語だけで表示されている。これではあまりにもお客様にご不便だ。面倒でも、地名、施設名などをローマ字で書いて差し上げたい。

そして、最後の会話はこうあるべきだ。

Thank you. Have a good flight home.

「ありがとうございました。気を付けてお帰り下さい。」

さらに、

Please come back again.

を笑顔で。

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